東洋医学おもしろ話　～ホントの干支は60種類！

前回は、五行のお話をさせていただきました。
今回からは、もっと私達の生活に身近に感じることができる陰陽五行の話をしていきます。

今回は「干支」です。

干支（えと）といった場合、子・丑・寅・・・を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、例えば、有名な丙午（ひのえうま）を例に取ると、「丙」が「十干」を表わし「午」が「十二支」を表わしています。

正式には「十干」と「十二支」の組み合わせが「干支（えと）」です。

「十干」とは、

甲（きのえ）
乙（きのと）
丙（ひのえ）
丁（ひのと）
戊（つちのえ）
己（つちのと）
庚（かのえ）
辛（かのと）
壬（みずのえ）
癸（みずのと）　のことです。

この「十干」は、草木の誕生から成長し、そしてつぎの世代への種子を残し、さらに次世代の成長が始まる、という様子を表わしていると言われています。

また、本来ならばどう考えても「干支」は「かんし」としか読めません。「干」は「かん」であり「え」とは読まないはずです。同様のことが「支」の文字についても言えます。「と」とは通常読みません。

その読み方には「五行の陰と陽」がかかわってきます。五行を「陽と陰」、「兄（え）と弟（と）」に分けて「えと」とすると中国の戦国時代の学者、呂不韋が決めたのです。

したがって本来の「えと」とは十干で表された部分であり、十二支の部分とは別なのですが、長い年月の流れが十干十二支の組み合わせ「干支」を「えと」と呼ぶようになりました。

表にすると分かりやすいです。

上表のように、十二支にも陰陽が決まっており、方位や時刻も配列されています。

その部分については、次回以降解説していきます。

これまでの説明から、

正式な「干支」は「十干」と「十二支」との組み合わせからなり、１０と１２の最小公倍数で６０通りある

ということになります（十干の陽は必ず十二支の陽と組み、陰と組むことはありません）。

人の年齢で考えると、生まれて６０年たてばまた同じ干支の年になります。これが「還暦」です。

元に戻ると言うわけで赤ちゃんにあやかって赤いチャンチャンコなど赤いものを身につける？？のです。

もしくは、人（＝土気　⇒五行の土　⇒黄色）になる前の存在（火生土＝五行の火　⇒赤色）だからでしょうか？

ちなみに、甲子園球場も1924年の甲子（きのえね）の年に完成したことから名付けられています。

さて、こうなってくると、自分の本当の干支を知りたくなりませんか？