症例報告 ~ジワジワくるギックリ腰

ジワジワくるギックリ腰

40代 男性 ネット検索でホームページをみて来院

主訴:慢性的な腰痛持ち。おとといからいつもより変な感じがしていたが、昨日の朝から歩くのがつらいほど痛くなった。

 

がっしりした体型で、仕事をバリバリしている感じ。普段は腰が気になるくらいで他は平気。仕事は忙しく出張もある。お酒もよく飲む。子供が生まれたばかり。

ギックリ腰というと、急に「グキッ」とくる感じを思い浮かべる方が多いと思いますが、意外と多いのが、この「ジワジワくる」タイプのギックリ腰です。

「大丈夫、ほっとけば良くなる」と思い、放っておいたら大丈夫じゃなかったパターンです。

基本的にこのタイプの腰痛で一番多いのが、30~40代の働き盛りの男性です。働く時間が長く、重力が常に腰へかかり慢性的に腰の筋肉が疲れている状態になっています。

腰骨と腰骨の間にある椎間板からゼリーが飛び出し神経を圧迫する、いわゆる「腰椎椎間板ヘルニア」もこの層に多いのが特徴です。

もう一つ、この世代では、特に学生時代に運動をやっていて、社会人になってから運動不足になると、30歳前後から筋肉が落ちてお腹も出て来て太りだす特徴があります。仕事が忙しいので生活も不規則になります。

そのような様々なストレスが腰にかかってきて負担をかけています。

さて、この男性。痛みは真ん中で骨盤との境目辺りが一番痛むとのこと。まだ痛みがひどく炎症もかなりある状態ですので、患部にマッサージはできません。

腰回りは鍼灸だけで治療します。疲労が蓄積しているのと、痛みによる2次的な緊張をとるために、下肢と首のマッサージは入れていきます。

まずは急性時の「子午治療」。ツボに金鍼をあてて気をはかります。

急激なギックリ腰もそうですが、あまりうつ伏せ姿勢が続くとつらくなるので、患部への鍼灸も長くならない様にします。

そして、遠隔治療と言って、急性時はなるべく患部から遠いツボを選ぶのも良い方法です。

背中と足のツボへの鍼と灸。腰椎近辺と仙腸関節附近への鍼灸で終了。

その後、臀部(お尻の筋肉)とハムストリング(モモ裏)、アキレス腱、首周りを指圧マッサージして、最後にコリがひどい所に皮内針(置き鍼)を貼りつけます。

これでもこの方は、すぐにスイスイ歩ける訳ではありませんでした。それだけ蓄積し過ぎて、コリも深いということです。

何度か治療は必要になりますが、とりあえずちゃんとした姿勢で立つことができるようになったので、2次的な痛みは引き起こすことはありません。

また、炎症がおさまれば楽に歩くこともできます。

鍼灸治療は自然治癒力を活性するので、放っておくよりも確実に炎症の治りが早くなります。

3日後に2度目の治療。だいぶ炎症もおさまり、顔に余裕がでています。患部を中心にマッサージもいれて治療。

しっかり抑えるため、1週間後にもう一度治療に来るように言いましたが来ませんでした…それだけ良くなったのでしょう。

…でも、本当はこの油断が怖いんですけどね。

一度ギックリをやってしまうと、その部分の筋肉が傷つき、どうしても他より弱くなり、疲労が蓄積するとまた同じところをやってしまう、というケースがとても多いです。

最初にしっかり治しておかないと、1年に1回ギックリをやって通院する、というケースに陥ってしまうので気を付けてください。

 

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